災──出来事は点ではなく、面となって迫ってくる。
波及
痛みだけではない。予定、役割、家計、家族の動線──細い糸が次々と張り替わる。 「今日は何を諦め、何を守るか」を一日単位で決める。守るべきは命と回復の余白だ。
ルーティンの再編
起床・服薬・食事・休息・移動。無理のない最小ルーティンを仮置きし、 実感に合わせて微調整する。使い切らない体力配分を覚えることが、新しい日常の核になる。
情報の窓口
連絡の窓口を絞る。家族/職場/関係者への報告は、頻度と様式を決める。 長文の説明は負担になる。共通テンプレートに沿って淡々と──「きょう」「症状」「次」を一行で伝える。
判断の基準
悪化のサイン(疼痛増悪、片側のしびれ、意識の変容、呼吸困難など)をメモにして見える場所へ。 ひとつでも該当したら即受診/救急要請。基準は外へ出すほど、迷いを減らす。
支えを受け取る
助けの申し出は、できるだけ具体的に依頼して受け取る。「食材の受け取り」「付き添い」「代筆」。 ありがとうを先に言い、役割の重さを等分にしない。支援は薄く、でも切らさない。
記す理由
災いは、生活の上に覆いかぶさる。だからこそ、生活の設計図を描き直す。 これは生存の技術であり、回復への滑走路でもある。今日の選択が、明日の余裕をつくる。
※ 本文は個人の経験記録であり、医療的指示ではありません。危険を感じたときは直ちに医療機関や救急へ。